それで思い出したのが、かつてヒストリーチャンネルで放送していた「アメリカ人は何を食べてきたか」という番組だ。・・・この番組はスナックだけじゃなくて、ピザ、液体調味料、缶詰、ホットドッグ、アイスクリーム、炭酸飲料水、クッキー、シリアル(ケロッグ博士の非常に興味深い話は「ラーメンと愛国」の中でも触れられている)など徹頭徹尾「大量生産食品」を取り上げている。
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つまり、インスタントラーメンは「日本人は何を食べてきたか?」ということなのだ。しかし、このような大量生産のおもしろさだけだったら「ラーメンと愛国」はこの番組や、前述の「クルマはかくして作られる」のラーメン版というだけだろう。しかし話はその先へ進む。大量生産の裏側にある思惑についてだ。それは戦後国内需要だけではさばききれなくなった、アメリカの小麦生産にある。アメリカは昔から、そしていまでも政治に対する農家の力がとても大きい。戦後の日本の食糧難に対する「援助」の形をとって、アメリカの小麦がいかに日本の食卓を侵略してきたかが書かれている。その使い道のひとつとしてラーメンが普及したのではないか、と論じている。
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このアメリカの農家の圧力に関して思い出したのが「雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史」という本だ。この本もちょう面白い!(下巻もある)これによると、小麦だけでなく、コーンもまた大量の消費先を探していた。
あの手この手でコーンの消費を促そうと、コーンからいろいろなものを作り出してきたが、そのひとつがバーボンやコーン・ウィスキーなどのお酒だという。19世紀前半当時のアメリカ国民一人当たりウィスキー消費量を見ると、全アメリカ国民(赤ちゃんなんかも含む)が毎日50CCのウィスキーを飲んでいたことになるという!なんと会社でも11時に「the elevenses」と称して会社からウイスキーが支給されていたという。この反動が、禁酒法時代を迎える原因になったとか。
で、その後19世紀末にポップコーンが生まれ、戦後に掛けて大流行。「アメリカ人は何を食べてきたか」でもその様子が描かれている。1945年、アメリカ産トウモロコシの半数近くがポップコーン製造にまわされたという。
その後1960年代に、トウモロコシ農家にとっての福音「コーンシロップ」が発明される。いまやあらゆる清涼飲料水に含まれ、アメリカのあのスーパーサイズなコカコーラなどは、コーンの消費を高める戦略の一環だとか。おもしろいのは、このコーンシロップを効率的に作り出す酵素を発見したのは日本人だったそうで、渡辺千賀さんは「その後のアメリカ人の肥満ぶりをみれば、どんな戦争を仕掛けるよりこの酵素発見がアメリカにダメージを与えたかも」とおっしゃっていて、なるほどと思った。
「住宅都市整理公団」別棟 : 大量生産の快楽と、それが行き着く「信仰」~「ラーメンと愛国」がちょうおもしろい!
- 「アメリカ人は何を食べてきたか」AMERICAN EATS
1.シリアル
2.ピザ
3.ホットドッグ
4.アイスクリーム
5.炭酸飲料
6.スナック
7.クッキー
8.バーベキュー
9.液体調味料
10.缶詰
11.祝祭日のごちそう
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