December 2, 2011

Q 12
 アイテム課金のビジネスについて。ソフトメーカーの中にはアイテム課金のビジネスにリソースをシフトしている会社も出てきており、ソフトメーカーにとって課金を自由にできるプラットフォームの魅力が高まっていると思うが、それに対してどう考えているか。

A 12
岩田:アイテム課金そのものを、私は全然否定しておりません。以前に私が申し上げたことがあるのは、「ゲームを無料で始めていいですよ、というやり方でアイテム課金をするというビジネス構造は、私たちがやろうとしているゲームビジネスと価値のアピールの仕方が全く違いますので、その枠組みでは自分たちのコンテンツの持つプレミアムな価値というものが傷つくのではないか」ということです。

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「ソフト作り手としての任天堂はどう考えているのか」についてですが、これについては一度、良いチャンスなので、お話ししておこうと思います。一般的には、「任天堂はアイテム課金に否定的である」、すなわち「任天堂は追加コンテンツやアイテム課金でお金をとるということには全く興味を持っていないのだ」と認識されているかもしれません。このことは、宮本ともずいぶん話をしていることなのですが、例えば「何かのゲームを全部遊び終わったが、もっと遊びたいので、追加ステージがあったらいいな」ということがあった時に、私たちが追加ステージの制作にしかるべき労力を注ぎ込んで、それを後から配信することでそのゲームの寿命が延びたり、話題が増えたり、売上が伸びたりするとしましょう。そうしたら、「そういうものをお客様と折り合いのつく価格で追加コンテンツとして買っていただいても良いのではないか」という話をしています。例えば、将来、任天堂の何かのゲームの追加ステージとして、「これを遊ぶためにはあといくら払っていただけませんか」ということはあって良いのではないかということです。一方で、「これは私たち任天堂がどうしたいのか、という考えであって、世の中の他の会社さんが正しいとか間違っているとかいうことを言いたいのではありません」という意味でぜひ誤解なく聞いていただきたいのですが、私たちの価値観では、「数字のパラメーターだけを触って、何かの鍵を開けるとか、何かがものすごく有利になるとかという形で課金する」ということは、クリエイティブの労力に対する対価ではない全然別の構造なので、それを追求すると確かに短期的に収益は上がるのかもしれないのですが、お客様と私たちの間での長期的な関係はつくれないのではないかというふうに思っていまして、こういう形での課金は、私たちのコンテンツに対してはすべきではないと、いうことも同時に話しています。